抗菌療法
歯槽膿漏の新しい治療法として、抗菌剤を使用して病巣を無菌化するという抗菌療法があります。
抗菌療法は、歯槽膿漏の細菌に有効な抗生物質(ジスロマックなど)を服用してスケーリングやルートプラーニングを施術することです。
抗生物質は軟組織の歯肉の中から細菌を攻撃し、スケーリングやルートプレーニングで歯周ポケットの歯石やバイオフォルムを破壊するというものです。
細菌検査で、細菌の種類が判りましたら、その菌に効果のある抗生物質を服用しながら、歯槽膿漏の治療を進めていきます。
歯槽膿漏の細菌は、歯や歯根表面では、バイオフィルムという特殊な膜で覆われいて、抗生物質が届きませんから、歯の表面についてる菌には効果が期待できません。
しかし、歯肉や歯髄などの血行のある部分に侵入して機械的に除去できない菌には、かなりの効果が期待できます。
歯や歯根は、通常の麻酔をして、表面に付着したプラークや歯石、そして汚染された病的セメント質を除去してきれいにします。
これらの一連の施術で除菌をしていきます。歯槽膿漏は、歯肉の感染症で、全身に影響を及ぼすことも明らかになっています。
歯肉の奥深くに棲み付いた細菌は、歯を磨いても取れませんし、歯肉に薬を塗布するだけでは、深部にいる細菌は攻撃することはできません。
抵抗力が強くなかなか死なない細菌もあります。
一般的には、抗生物質を短期間(4〜5日)服用しますと効果が現れるのですが、その程度では死なないというものです。
しかしながら、アモキシシリン(抗生物質)とメトロニダゾール(抗菌剤)を併用して、その相乗的また付加的効果によって、連続で2週間服用しますと効果が得られます。
驚くほどの効き目があると言われていますが、あきらめていたほどの歯槽膿漏が改善しているということです。
なお、この抗菌療法は、虫歯にも効果があり、虫歯に侵された部分を削って除去する従来の治療法とは違い、痛みが少なく、短期間で治療が終わるということで、注目を集めています。
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